誠味の歴史
誠味ブランドの設立
創業当初から一夫が作る昆布の佃煮は神戸の人たちの爆発的な支持を受け、事業は順調に成長してゆきました。朝、昆布佃煮を買いに来た人が、夕方また買いに来るようなことも多かったようです。やがて製品の幅も広がり、販売も全国へと拡大してゆきました。
ところが、日本の経済が発達し開発が進んでゆくとだんだん松茸の量も少なくなってゆき、いつしか秋の風物詩である松茸も庶民の手の届かない高価なものになってしまい、店頭からも松茸昆布は消えてしまいました。
いつかあのおいしかった松茸昆布を復活できる道はないだろうかと常々思っていたところ、20年もたってからチャンスは巡ってきました。
日本産の松茸はもう僅かになってしまいとても手が出る価格ではなくなってしまいましたが、世の中が落ち着いてくる中で朝鮮産の松茸が出回るようになったのです。朝鮮の松茸は風味も日本のものに大変近く、「よし、あのおいしかった松茸昆布を復活させよう」と決意しました。
長年の悲願である松茸昆布を再開するにあたって、創業来培ってきた佃煮製造技術へのこだわりや物作りに対する心意気やすべてを世に問う思いでやってゆこうと決意しました。
販売先も、最高の商品ばかりが集う百貨店に定め、経営者の信条を伝える誠の味「誠味」という新ブランドに思いを託して昭和51年株式会社誠味がスタートしました。
ちょうど創業から25年目の春、柳本一夫45才でした。